トピックス / 「第27回京都賞」授賞式開催される |
科学や文明の発展、また人類の精神的深化・高揚に著しい貢献をした人々に贈られる「京都賞」の授賞式が、11月10日、国立京都国際会館で開催された。 今回の受賞者には、先端技術部門が「材料科学」の分野から、ジョン・ワーナー・カーン博士(アメリカ、83歳)、基礎科学部門が「地球科学・宇宙科学」の分野から、ラシッド・アリエヴィッチ・スニヤエフ博士(ロシア・ドイツ、68歳)、思想・芸術部門が「映画・演劇」の分野から、坂東 玉三郎丈(日本、61歳)が選ばれた。 カーン博士は、アロイ材料内で起きるスピノーダル分解の研究に取り組み、系の自由エネルギーに歪みエネルギーの項を取り入れた理論を確立し、アロイ材料の機能を最大限に引き出す最適な微細構造の予測を可能にした。この理論によって、アロイ材料開発の設計指針が確立され、材料科学の進展のみならず、素材産業への発展にも大きく貢献した。 スニヤエフ博士は、宇宙背景放射の温度揺らぎに刻印された初期宇宙の音波振動や、宇宙背景放射の銀河団中の熱い電子ガスによる散乱の理論的研究によって、現代の観測的宇宙論へ大きな影響を与えるとともに、高密度天体への物質降着とエネルギー放出機構の理論的研究や国際的観測プロジェクトの主導により高エネルギー天文学へも多大な貢献をしている。 玉三郎丈は、歌舞伎の女形としてそれまでにない独特な世界を展開し、梨園の生まれではないにもかかわらず、立女形(たておやま)の地位を確立すると同時に、演劇・舞踊の分野の枠を越えた多彩な活動を国内外で繰り広げ、高い芸術的水準で多くの観客を魅了し続けている。 京都賞は稲盛財団(稲盛和夫理事長)から毎年贈られる国際賞で、先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の3部門から成り立っている。この賞は、各人の素晴らしい功績はもちろんのこと、それを成し遂げた人物をその人生哲学をも含めて讃えることを最大の特徴としている。 授賞式は高円宮妃久子殿下のご臨席のもと、政官財界、学会などから約1,900名が出席した。安藤忠雄氏(第18回〈2002〉思想・芸術部門)、三宅一生氏(第22回〈2006〉思想・芸術部門)、山中伸弥博士(第26回〈2010〉先端技術部門)ら、歴代の京都賞受賞者も列席するなか、井村裕夫会長から各受賞者に、京都賞メダルとディプロマ(賞状)、および副賞として賞金5,000万円が贈られた。続いて、野田 佳彦 内閣総理大臣をはじめ、ドミートリー・A・メドベージェフ ロシア連邦大統領、クリスティアン・ヴルフ ドイツ連邦共和国大統領、バラク・H・オバマ アメリカ合衆国大統領からの祝辞が披露された後、京都聖母学院小学校合唱団の着物姿の子供たちによる受賞讃歌が祝典に彩りを添えた。授賞式の模様は、稲盛財団ホームページからライブ配信された。 翌11日は一般の方々を対象とした記念講演会、12日には部門ごとのワークショップ、13日から15日にかけては、青少年育成プログラムとして、受賞者が小中学生と交流するキッズ・サイエンスや高校フォーラム、若い世代を対象にした学生フォーラム、九州大学と共催で京都賞シンポジウムを実施する。11日の記念講演会の模様はインターネットでライブ配信を予定している。 ![]() 授賞式風景
UPDATE : 2011.11.10
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