稲盛科学研究機構「InaRIS」の最初のフェローが決まりました!

公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ)は本日、2020年度稲盛科学研究機構(InaRIS:Inamori Research Institute for Science)のフェローを決定しました。本プログラム初となる2020年度InaRIS フェローは、42名の応募者の中から、高柳匡氏(京都大学基礎物理学研究所教授)と野口篤史氏(東京大学大学院総合文化研究科准教授)の2名が選ばれました。

稲盛科学研究機構「InaRIS」のウェブサイト
2020 InaRIS Fellow
高柳 匡
Takayanagi, Tadashi
京都大学 基礎物理学研究所 教授
フェロー紹介ページ
研究テーマ 量子エンタングルメントから創発する量子重力理論
研究の概要 重力のミクロな物理法則である「量子重力理論」を解明する糸口として、高柳氏が発見した「笠ー高柳公式」が注目されている。この公式は「エンタングルメント・エントロピー」とよばれるミクロな情報量が宇宙の面積と等しいという関係式であり、重力理論の宇宙は量子情報から創発することを示唆している。本研究では、独創的なアイデアをさらに発展させて量子重力理論を解明することを目的とし、私たちの宇宙がどのように生まれたのか、そのミクロな起源に迫る。
2020 InaRIS Fellow
野口 篤史
Noguchi, Atsushi
東京大学 大学院総合文化研究科 准教授
フェロー紹介ページ
研究テーマ 誤り耐性量子計算のための超高精度量子制御
研究の概要 量子状態は壊れやすいため、私たちが普段目にするような大きな物体は量子力学には従わない。この破壊を防ぐ方法のひとつに「量子誤り訂正」がある。これにより、超伝導量子回路のようなマクロな系の状態も量子として扱えるようになる。本研究では、超高精度な量子制御技術によって量子誤り訂正を実現し、無限の寿命をもつ人工的な量子系を作り、その大規模化による誤り耐性量子計算の実現を目指す。
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