編集後記

Vol.2 2020.7.xx

 ラジオ体操に朝礼、創立者の思想がつまったフィロソフィの輪読──。稲盛財団の一日のはじまりの習慣が、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに一変しました。四月から基本的に在宅勤務となり、会議も雑談もオンラインに。その影響は働き方だけでなく、三十五年間続けてきた京都賞にもおよび、延期が決まりました。

「今の世の中に対して稲盛財団は何ができるだろうか」。自宅でひとりで考える時間が急に増えて、慣れない生活に少しずつ波長をあわせながら考えました。そこから生まれたもののひとつが、今号で紹介した文化芸術支援プログラムです。他にもいくつかの新しいプロジェクトが生まれようとしています。

 時は流れて、窓をあけると学び舎にむかうこどもたちの元気な声が聞こえるようになりました。ゆるやかに暮らしが戻っていくけはいも感じますが、この先どのように移ろっていくのでしょうか。稲盛財団もこれからの形を模索しながら、新しく生まれ変わろうとしています。これまでひたむきにつづけてきた大切なものを、変わらず紡いでいくために。