2023年稲盛倫理賞にミロスラヴァ・ゴンガゼ氏が選ばれました

Myroslava Gongadze

ケースウエスタンリザーブ大学(米国オハイオ州クリーブランド市)の「倫理と叡智のための稲盛国際センター」は、2023年稲盛倫理賞に、ジャーナリストで自由報道・人権擁護活動家のミロスラヴァ・ゴンガゼ氏を選出したことを発表しました。

ゴンガゼ氏は、2023年9月21日から22日にかけてケースウエスタンリザーブ大学で開催されるイベントにおいて、授賞式や自身の業績に関する講演、学術シンポジウムおよびパネルディスカッションに出席する予定です。

稲盛倫理賞は、ケースウエスタンリザーブ大学「倫理と叡智のための稲盛国際センター」が主催する国際賞で、2008年以来毎年模範的なリーダーシップを実践し、人類社会の向上に多大な貢献をした個人に贈られてきました。同センターは稲盛財団からの寄附により設立され、世界中に倫理的なリーダーシップを醸成することを目的に教育研究活動を行っています。

<ゴンガゼ氏プロフィール(ケースウエスタンリザーブ大学提供資料より)>
ウクライナ出身のゴンガゼ氏は、リヴィウ国立大学で修士号を取得。1990年代後半には、同じくジャーナリストで夫のゲオルギー・ゴンガゼ氏と共に、ウクライナのクチマ大統領政権に反対する出版物を発行しました。

2000年には、夫が誘拐・殺害されるという悲劇的な事件が起きます。その結果生じた政治的論争や権威主義的なクチマ政権に対するゴンガゼ氏の反発は、2004年のオレンジ革命(ウクライナ大統領選の開票結果に民衆が猛抗議し、再選挙の末に選挙結果を覆した事件)の大きな契機となりました。

ゴンガゼ氏は、亡き夫のための正義とウクライナにおける正義や法の役割を求め続け、2002年にはクチマ大統領政府に対する裁判を起こしました。この裁判で欧州人権裁判所は、ウクライナ国内の捜査が国際人権法に違反していると結論づけ、祖国で正義を見いだせなかった多くのウクライナ人の道しるべとなりました。

2001年にアメリカへ亡命したゴンガゼ氏は、2004年からボイス・オブ・アメリカ(VOA)のテレビ・ラジオ特派員、ラジオ・フリー・ヨーロッパの特派員、ジョージ・ワシントン大学客員研究員、ハーバード大学フェローとして、ジャーナリズムにおけるグローバルな倫理的リーダーシップを発揮し続けています。

2015年以降は、VOAのウクライナサービスの責任者として、アメリカのブリンケン国務長官やウクライナのゼレンスキー大統領、その他多くの重要政治家へのインタビューを行っています。現在、VOAはウクライナで最も信頼されるニュースとして広く知られており、ウクライナの人口のおよそ10%に相当する500万人が視聴しています。2022年にはVOAにおける初の東欧支局長に任命され、頻繁にウクライナを訪れてロシアによる非道な侵略を取材しています。

*Photo by Dmytro Savchuk

 

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