2025年度InaRISフェロー、戸田幸伸氏(左)と平岡裕章氏(右)
4月26日、京都市内のホテルにて、2025年度InaRISフェロー授与式を行いました。
本年度のInaRISフェロー募集対象テーマは「数学の深化と展開」。29件の申請の中から、厳正な審査を経て、東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構教授の戸田幸伸氏と、京都大学 高等研究院教授の平岡裕章氏の2名が選ばれました。
2025年度フェロー 戸田幸伸氏 https://www.inamori-f.or.jp/recipient/yukinobu-toda/
2025年度フェロー 平岡裕章氏 https://www.inamori-f.or.jp/recipient/yasuaki-hiraoka/
授与式の冒頭、中西重忠機構長は「10年ものサポートになるので、どうか気負わずに、挑戦的な研究を愉しみながら進めていただき、多様な分野にまたがるInaRISフェローのネットワークを存分に活かして研究を発展させてください」とエールを送りました。続いて、齋藤政彦選考委員長が選考報告と両フェローの研究計画を紹介したのち、金澤しのぶ理事長より認定書が授与されました
写真左上:金澤理事長より認定書を授与された平岡氏 右上:会場の様子
左下:委員と歓談する平岡氏 右下:研究の展望について語る戸田氏
授与に続くスピーチで戸田氏は「私はこれまで『数え上げ幾何学』で得られる『数』の抽象化、すなわち『圏論化』に取り組んできました。今後はこれを通じて、さまざまな数学分野を結びつけるような新しい研究領域を開拓したい」と意気込みを述べ、平岡氏は「個々の細胞の全遺伝子の発現パターンのデータを解析したり、マウスやサルでの知見をヒトに適用する数学的手法を開発することを通じて、『ヒトをヒトたらしめているものは何か』という問いに迫りたい」と展望を語りました。
授与式後の昼食会では、委員やフェロー同士の活発な意見交換やショートスピーチが行われ、和やかな雰囲気のなか盛況のうちに幕を閉じました。
授与式に参加した委員とこれまでのフェロー
(後列左から藤田大士氏、岡田清孝氏、西尾章治郎氏、森脇淳氏、小磯深幸氏、國府寛司氏、西浦廉政氏、榊裕之氏
前列左から金澤しのぶ理事長、中西重忠機構長、高柳匡氏、戸田幸伸氏、平岡裕章氏、野口篤史氏、田中由浩氏、齋藤政彦選考委員長)
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