第13回KUIP「細胞が運命を変えるとき」が開催されました!

登壇した3人の先生方左から斎藤通紀氏、工藤洋氏、甲斐歳惠氏

 

2026年8月9日、TODAホール&カンファレンス東京(東京都中央区)にて、第13回京都大学―稲盛財団合同京都賞シンポジウム(KUIP)が開催されました。今回のテーマは「細胞が運命を変えるとき 医学 × 生態学 × 生命科学 研究の最前線」。細胞を切り口に、ヒトの生命の継承、植物の季節への応答、生殖細胞を守る仕組みなど、生き物が備える巧妙なメカニズムについて、3人の研究者が最新の研究成果を紹介しました。

最初に登壇した京都大学高等研究院教授の斎藤通紀氏は、「精子と卵子を創る科学:生命継承機構の探求」と題して講演。ヒトの生殖細胞から受精卵、さらに次の世代の生殖細胞へとつながる生命の流れをたどりながら、生殖補助医療の現在と未来、さらにはそうした技術が投げかける哲学的・倫理的な問いまで、ヒトの生殖にまつわる最先端の科学と技術について分かりやすく語りました。

続いて、京都大学生態学研究センター教授の工藤洋氏が、「植物はなぜ季節がわかるのか?」というタイトルで講演しました。日々大きく変動する野外の気温の中で、植物がどうやって花や葉をつけるタイミングを計っているのか。遺伝子の働きや統計解析を手がかりに、ときにジョークを交えながら、その巧妙な仕組みにスリリングに迫りました。

3人目に登壇した京都大学生命科学研究科教授の甲斐歳惠氏は、「小さなハエが教えてくれた生殖細胞を守る仕組み」と題して講演。ゲノム中で増幅する「トランスポゾン」と呼ばれるDNA配列から次の世代へ遺伝情報を伝える生殖細胞を守るための複雑な分子メカニズムについて、ショウジョウバエを使った研究の最新成果を熱く語りました。

シンポジウムに参加した高校生からは、「斎藤先生の生殖細胞の発生機構の解明が倫理的な問いにつながっていくという話がとても印象深く、人類全体が考えないといけないことだと感じました」、「私も工藤先生と同じく山岳部に所属していますが、植物についてもっと知れば『この植物があるからここの標高はこれくらい』などと分かって、山登りがもっと楽しくなると思いました」、「甲斐先生の研究は、一個のテーマを深掘りした結果、世界が広がっていったという話で、研究者としての活躍の仕方が理想的でかっこよかったです」といった、さまざまな感想が寄せられました。
 


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