2026年2月15日、JPタワー ホール&カンファレンス(東京都千代田区)にて、第12回京都大学―稲盛財団合同京都賞シンポジウム(KUIP)が開催されました。今回のテーマは「AIは○○できるようになるか」。ここ数年、かつてない勢いで発展・普及しているAI技術。その活用や技術的課題について、3人の研究者が熱く語りました。
京都大学大学院情報学研究科教授の湊真一氏(写真左上)は、スーパーコンピュータで25万年もかかる計算を数秒で終わらせるアルゴリズム技術や、対話型生成AIの意外な弱点とその理由などについて、ユーモアを交えて解説しました。続いて、同じく京都大学大学院情報学研究科教授の河原達也氏(写真右上)は、消滅の危機にある言語の一つ、アイヌ語の保存・継承のために開発した、音声アーカイブを学習元に用いた音声AIについて説明しました。最後に登壇した理化学研究所革新知能統合研究センター・チームディレクターの大武美保子氏(写真右下)は、会話を通して認知症を予防する「共想法」の実践をサポートするロボットを、実際に活用している様子の映像を交えながら紹介しました。
講演後には、国谷裕子氏(東京藝術大学理事、元NHKキャスター)をモデレーターにパネルディスカッションが開かれ、AIのリスクや限界について活発な議論が交わされました。湊氏は「人間にとっても難しい問題、正解をはっきり決められない問題はAIにも難しい」、河原氏は「AIに頼りすぎることによって人間の知性が低下したり、決して否定してこないAIとの会話に慣れすぎてしまうことが不安」、大武氏は「生成AIの学習元が生身の人間の言葉なので、人間の負の側面も学習していることに気をつけなければ」とそれぞれの意見を述べました。
会場には多くの高校生も詰めかけ、「AIについて興味があったが、シンポジウムという形でいろいろな視点から聞くことができたのがよかった」「これから私たちがAIとどう付き合っていけばいいのか考えさせられるきっかけになった」といった感想が寄せられました。
「稲盛財団Magazine」は、稲盛財団の最新情報を配信するメールマガジンです。メールアドレスのみで登録可能で、いつでもご自身で配信解除できます。

