稲盛科学研究機構(InaRIS)の2024年度フェローが決まりました!


公益財団法人稲盛財団(理事長 金澤しのぶ)は3月15日、2024年度稲盛科学研究機構(InaRIS: Inamori Research Institute for Science)のフェローを発表しました。2024年度InaRISフェローは、36名の応募者の中から、鈴木洋氏(名古屋大学大学院医学系研究科教授 )と星野歩子氏(東京大学先端科学技術研究センター教授 )の2名が選ばれました。

稲盛科学研究機構(InaRIS)のウェブサイト
2024 InaRIS Fellow
鈴木 洋
Suzuki, Hiroshi
名古屋大学 大学院医学系研究科 教授
フェロー紹介ページ

 

研究テーマ 遺伝子制御情報の時空間進化の理解・予測に基づくがん治療DX
研究の概要 高齢化に伴い、現代の日本では、2人に1人が生涯でがんを発症する。がんの治療は、がんゲノム解析・分子標的治療・がん免疫療法によって大きく進化したが、がんの再発・治療抵抗性の獲得、すなわち、がんと治療のいたちごっこはがん医療の永遠の課題である。本研究では、染色体外環状DNA(eccDNA)などのがん細胞の遺伝子制御情報の時空間進化のメカニズムに注目し、AI や情報科学を駆使した新たながん研究の方法論と新たな遺伝子制御の分子ツールの開発を推進することにより、「あきらめないがん治療」に資する研究を展開する。
2024 InaRIS Fellow
星野 歩子
Hoshino, Ayuko
東京大学 先端科学技術研究センター 教授
フェロー紹介ページ

 

研究テーマ エクソソームが切り拓く疾患生物学
研究の概要 エクソソームは、すべての細胞から産生されるウイルスほどの微小な小胞であり、タンパク質、脂質、核酸など、元の細胞由来の物質を含んでいる。これまでは細胞内の不要物を処理するメカニズムとして考えられてきたが、近年、産生細胞から別の細胞への取り込みが明らかになり、新たな細胞間コミュニケーションツールとして注目されている。本研究では、体内に拡散する小胞であるエクソソームによる細胞間の相互作用メカニズムが、遠隔に位置する組織を結びつけ、様々な疾患の発症や病態に関与する可能性があり、これについて生理学的な新たな概念を開拓していくことを目指している。
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