田中 伸明 Nobuaki Tanaka

北里大学 一般教育部講師※助成決定当時

2026はぐくむ人文・社会系

採択テーマ
ヨーハン・ゴットリープ・グラウンの音楽史的意義––器楽作品への検証を通じて
キーワード
研究概要
ヨーハン・ゴットリープ・グラウン(1702/03–1771)―フリードリヒ大王の宮廷楽団でコンサートマスターを務めながら、名声とはほとんど無縁であったこの音楽家が、「前古典期」のドイツ音楽に重要な貢献をしていた可能性があります。本研究では、これまでほとんど探究されず手稿のまま残されてきたグラウン作品全般を対象に検討を行い、彼の規範的影響力を明らかにするとともに、ドイツに独自の音楽様式(≒混合趣味)が本当に成立していたのかという問題を、豊富な作品傍証を通じて実証的に解明することを目指します。

助成を受けて

本計画は、楽譜史料に対する文献学的調査と、伝承されている音楽作品の様式・構造分析を中心に据え、対象を実証的に検証しようとするものです。方法論としては伝統的であり、一見すると新規性に乏しいようにも見えるかもしれません。しかし、すでに発見されカタログにも収録されているにもかかわらず、著名な作曲家と関係しないという理由だけで、ほとんど顧みられていない史料が、音楽史研究の中には今なお数多く残されています。まさにそうした史料群を精査することで、音楽史において見過ごされてきた重要な事実を明らかにしようと試みるのが本計画です。方法論的新規性や学際性が重視される風潮の中で、本研究計画への支援を決定してくださった稲盛財団に、心より感謝申し上げます。成果を国際的な水準で発信するとともに、楽譜校訂等を通じた社会還元を実践できるよう、研究に取り組んでまいる所存です。

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