
本計画は、楽譜史料に対する文献学的調査と、伝承されている音楽作品の様式・構造分析を中心に据え、対象を実証的に検証しようとするものです。方法論としては伝統的であり、一見すると新規性に乏しいようにも見えるかもしれません。しかし、すでに発見されカタログにも収録されているにもかかわらず、著名な作曲家と関係しないという理由だけで、ほとんど顧みられていない史料が、音楽史研究の中には今なお数多く残されています。まさにそうした史料群を精査することで、音楽史において見過ごされてきた重要な事実を明らかにしようと試みるのが本計画です。方法論的新規性や学際性が重視される風潮の中で、本研究計画への支援を決定してくださった稲盛財団に、心より感謝申し上げます。成果を国際的な水準で発信するとともに、楽譜校訂等を通じた社会還元を実践できるよう、研究に取り組んでまいる所存です。
人文・社会系(はぐくむ)領域