- 採択テーマ
- Justice by Two Minds-認知バイアスの再評価による人間とAIの「共同判断モデル」の構築
- キーワード
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- 研究概要
- 15年ほど前、息子と一緒にカブトムシやクワガタを飼っていたことがあります。あるとき、うっかり角の間に中指を入れてしまい、体長10センチほどの小さな生き物ですが、その力は大人の私でも驚くほど強く、振りほどくのに苦労したのを覚えています。_x000D_
進化の過程で生物が獲得してきた能力は、ときに私たちの想像を超えるほど強力です。人間の認知もまた、進化の中で形成されてきました。心理学では、人間の判断が合理性から逸脱する現象を「認知バイアス」と呼びます。これらは長い間、判断の誤りや限界として理解されてきました。_x000D_
現在、AIが人間の判断に代わり得る存在として急速に発展しています。AIは人間よりも合理的で一貫した判断を行える可能性があります。もしそうだとすれば、人間の判断に含まれる認知バイアスは単なる欠点にすぎないのでしょうか。本研究では、この問いを裁判の判断という文脈で検討します。AIが示す合理的判断と、人間が持つ認知バイアスを比較しながら、人間の判断が司法においてどのような意味を持つのかを明らかにします。_x000D_
進化の過程で生物が獲得してきた能力がしばしば予想外の力を持つように、人間の認知にもまた、合理性だけでは測れない役割があるかもしれません。本研究を通じて、人間とAIが共存する司法のあり方を考えていきたいと思います。
助成を受けて
私はこれまで、法と心理学の接点から人間の判断を研究してきました。本研究では、AIの合理性と人間の認知バイアスを正面から比較し、司法における人間の判断の価値を再検討します。本助成を大きな推進力として、AI時代の司法の新しい姿を示していきたいと考えています。
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