坂口 大起 Taiki Sakaguchi

大阪大学 大学院医学系研究科特任助教※助成決定当時

2026はぐくむ生物・生命系(はぐくむ)

採択テーマ
潰瘍性大腸炎の粘膜修復を促す上皮幹細胞分化制御薬の開発
キーワード
研究概要
潰瘍性大腸炎(UC)の既存治療は炎症抑制が主眼であるが、難治例には組織修復促進という新たなアプローチが期待される。我々は、UC腸管粘膜ではCDC42の過剰活性化に起因して上皮幹細胞の分裂様式が異常変化し、分化不全から上皮細胞のターンオーバー活性が低下して粘膜修復が障害されることを単一細胞RNA-seq解析とオルガノイド実験により明らかにした。本研究ではCDC42阻害薬ML141を用いて、幹細胞分裂様式の正常化による粘膜修復促進と炎症性発癌抑制の両立を目指す新たなUC治療戦略を検証する。

助成を受けて

潰瘍性大腸炎は若年発症が多く長期にわたる治療を要する難治性疾患であり、また罹病期間の延長に伴う大腸癌リスクの問題も未解決のままである。_x000D_
本研究が提案するアプローチは既存治療が主眼とする「炎症の抑制」ではなく、腸管上皮幹細胞の分裂様式を正常化することで「炎症と組織傷害の悪循環を断ち切る」という発想の転換をもたらすものである。一つの分子標的(CDC42)への介入により、粘膜修復の促進と炎症性発癌の抑制という二つの臨床課題を同時に解決し得る点が、本研究の最大の独自性である。治療抵抗性UC患者が「手術しか残された選択肢がない」という状況を変えることが、この研究の究極の目標である。基礎研究の知見を着実に臨床へ橋渡しし、患者さんの人生を変える治療の実現に向けて取り組んでいく。

領域が近い研究者を探す

生物・生命系(はぐくむ)領域

PAGE TOP