河上 龍郎 Tatsuro Kawakami

東京大学 大学院数理科学研究科准教授※助成決定当時

2026はぐくむ理工系(はぐくむ)

採択テーマ
正標数における微分形式の拡張問題に関する研究
キーワード
研究概要
本研究のテーマは、正標数における微分形式の拡張問題である。微分形式の拡張問題とは、微分形式が局所的に特異点解消などの上にある双有理モデルへと持ち上がるかを問うものであり、代数多様体の微分形式と特異点の性質に関わる基本的な問題である。本研究では、F特異点と呼ばれる正標数における重要な特異点クラスが、 高次の微分形式の拡張性を満たすかを明らかにすることを目標とする。

助成を受けて

本研究では、正標数の代数多様体に対する「微分形式の拡張問題」を研究します。微分形式の拡張問題とは、特異点をもつ代数多様体において、微分形式が特異点解消などの双有理モデルへどの程度持ち上がるかを問う問題であり、特異点と双有理幾何学を結びつける基本的なテーマです。
複素代数多様体の場合には、長い研究の歴史を経て、近年この問題に対して非常に強力な結果が得られています。これらの結果は主としてHodge理論を中心的な手法として証明されています。一方、Hodge理論は複素数体の性質に基づく理論であり、正標数の代数幾何学に対応する理論は現在のところ存在しません。これは、正標数の代数幾何学に複素数体の場合と比べて未解明の問題が数多く残されている理由の一つとなっています。
本研究では、Cartier作用素をはじめとする正標数特有の手法を用いて、正標数における微分形式の拡張問題を解明することを目指します。複素数体上ではHodge理論を用いて研究されている現象を、正標数ならではの方法で理解することができれば、正標数の代数幾何学の発展に新しい視点をもたらすことができるのではないかと期待しています。

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