- 採択テーマ
- インドの不可触民解放運動史料のデジタルアーカイブ化と仏教僧佐々井の「不可触民になる」宗教実践の研究
- キーワード
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- 研究概要
- 1956年10月14日、インド憲法を起草した元不可触民のアンベードカルに導かれて、30万人以上の元不可触民がヒンドゥー教から仏教へ集団改宗しました。しかし、指導者アンベードカルはその53日後に死去してしまいます。私の研究では、1970年代以降の不可触民解放運動の膨大な歴史的資料をデジタルアーカイブ化し、アンベードカルの死去以降、言い換えると、ポスト・アンベードカルの時代を生きる元不可触民が何を経験してきたのかを明らかにすることに取り組みます。
この歴史的資料はおもに、1967年からインドでポスト・アンベードカルの不可触民解放運動の宗教指導者を担ってきた仏教僧佐々井秀嶺が現地に保存してきたものです。この史料には、佐々井が自らの思想と実践を書いた日記や手記が含まれています。私の研究では、デジタルアーカイブ化の作業と並行して、佐々井の「不可触民になる」宗教実践、言い換えると、どのように日本出身の佐々井がインドの不可触民解放運動の当事者性を手にしていったのかを学ぶことを試みます。
助成を受けて
学術論文といった学問的な成果を残すだけではなく、ビデオ映像や写真も用いることで、研究成果を学会の外へと開き、みなさんと共有することを目指しています。