佐藤 尚平 Sato, Shohei

早稲田大学 文学学術院准教授※助成決定当時

2022稲盛研究助成人文・社会系

採択テーマ
日英両帝国による植民地文書の破棄と隠匿についての比較研究
キーワード
研究概要
20世紀、それまで世界中に影響力を及ぼしていたイギリス帝国は衰退し、各地から撤退することを余儀なくされました。世界の歴史が帝国主義の時代から植民地独立という新たな局面に入ったこの時期、イギリスが都合の悪い文書を大量に隠蔽していたということが最近になって分かってきました。他方で日本も、第二次世界大戦で敗戦した際に似たような隠蔽工作を行ったことで知られています。この両者を比較することで、私たちの世界の歴史や歴史認識について新たな知見を得ようというのが、この研究の狙いです。

ひとこと

隠蔽された文書は、本来であれば闇に葬り去られるはずだった過去の記録です。歴史の深淵に光を当てる。何が見えてくるのかと手に汗を握ります。他方で、隠蔽された史料をいざ紐解くと、ある意味で凡庸で、拍子抜けするような内容しか含んでいないということも少なくありません。極限状態に追い込まれた人間が、何を後世に残し、何を隠蔽しようとするのか。イギリス帝国や日本に限らず、世界に暮らす私たち全体の集合的記憶や自己認識を考える上でも広がりのある問題です。このテーマを通じて、色々な分野の方々と交流が出来れば嬉しいです。また、この冒険的な研究に理解を示して下さり挑戦をする機会を与えて下さった稲盛財団に、心から御礼を申し上げます。

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