
幸福の国として知られるブータンですが、農村部の現実には厳しいものがあり、獣害は農家の貧困に追い打ちをかけ、生産や投資への意欲を削ぐ深刻な問題となっています。こうした不幸の軽減に役立つような研究ができるよう、全力を尽くしたいと思います。
本研究は、ブータンにおける電気柵の放棄要因を、全国180か所のデータを用いて分析した。電気柵は野生動物被害を防ぐ有効な手段だが、共同管理ではフリーライダー問題が生じ、維持管理不足により放棄される場合がある。分析の結果、受益農家数が多いほど放棄確率は高まる一方、罰金制度は放棄を大きく抑制することが分かった。罰金制度がない場合は5〜10戸程度の中規模柵が最も費用対効果が高く、制度がある場合は大規模柵も有効であることがわかった。
人文・社会系領域