野島 那津子 Nojima, Natsuko

大阪大学 大学院人間科学研究科助教※助成決定当時

2019稲盛研究助成人文・社会系領域

採択テーマ
‛benefit scroungers’言説にみる新たな排除のスタイルとその生成プロセス
キーワード
研究概要
国から給付金を得て暮らす人々は、しばしば「まっとうに」働いて税金を納めていると自負する納税者の非難にさらされます。イギリスでは、何らかの給付金で暮らす人々を「働かない怠け者」とみなし、「給付金のたかり屋(benefit scroungers)」として非難する傾向が強まっています。こうした非難は、とりわけ、給付金受給者の「生活」を映し出す「リアリティショー」によって高まっていったと言われています。
本研究では、代表的な「リアリティショー」の分析を行い、給付金受給者がどのように表象されているのか、また、どのような人々が「『本物の』病人・障害者」あるいは「『偽物の』病人・障害者」へと社会的に分類されていくのかを明らかにしたいと考えています。イギリスにおける給付金受給者の「生活」の可視化と、給付金に値する者としない者の社会的選別のプロセスを検討することによって、今後日本の状況を考える上での示唆を得たいと思います。

助成を受けて

自分にとって新たなチャレンジとなる今回の研究テーマを助成対象に選んでいただき、大変ありがたく思います。人間をめぐるカテゴリーが、政治経済的状況やさまざまなテクノロジーによって細分化され、排除の構造が複雑化する現代社会の諸相を、共感ではなく理解するための視点を提示できればと思います。

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