本研究を推進することで、今後日本が難民問題への対応を検討する際の知的基盤の形成、そして政策提言の実証的根拠となるような知見を提供することを目指しています。
なぜ難民受入国政府は、政治的弱者である難民を受け入れ、権利を付写するのだろうか。そしてどのような条件のもとで国際機関の勧告を受け入れるのだろうか。本研究は、受入国の政治体制・制度が難民の流入の受け入れと権利保障に与える影響について理論モデルを提示し、国際比較データの統計分析と事例研究を併用して実証分析を行うことを目指した。(非)民主主義体制の人権への意識・民衆と国家の関係性に注目し、受入国の政治体制・制度が、受入国政府と難民の行動と決定を規定し、結果として難民の動きと権利付与に影響すると主張した。
Masaaki Higashijima, Yujin Woo (2024) Political Regimes and Refugee Entries: The Preferences and Decisions of Displaced Persons and Host Governments International Studies Quarterly 68 (2) doi: 10.1093/isq/sqae077
人文・社会系領域