于 海春 Haichun Yu

北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院助教※助成決定当時

2025稲盛研究助成人文・社会系

採択テーマ
ソーシャルメディアデータを用いた中国のナショナリズムと科学的偽情報の実証分析
キーワード
研究概要
 近年、中国では米中・日中関係の緊張を背景にナショナリズムが台頭し、コロナの意図的散布や福島の処理水による魚の大量死といった科学的に根拠のない陰謀論や偽情報が広がっている。本研究は、中国のソーシャルメディア上での偽情報の拡散実態を踏まえ、コミュニケーションの政治経済学の視点から科学的誤解や陰謀論の拡散を規定する要因を体系的に明らかにすることを目的とする。さらに、ソーシャルメディアの量的テキスト分析を通じて、ナショナリズムの台頭と科学的偽情報の拡散との関係を実証的に示す。

助成を受けて

 本研究は、中国におけるナショナリズムの台頭と科学的偽情報の拡散との関係を明らかにすることを目的とする。近年、政治や科学に関する誤解や陰謀論が広がっており、その背景には政治的要因が深く関係している。特に、ナショナリズムの高まりが偽情報の拡散を促進し、それがさらなる誤解や対立を生む悪循環が生じている。
 本研究では、ソーシャルメディアのデータを用いた量的テキスト分析により、この関係を実証的に示し、科学的な誤解を訂正する方策を提案する。研究助成を受けたことで、より包括的で実証的な分析が可能となった。研究成果を積極的に発信し、政治・科学コミュニケーション分野への貢献を目指す。

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