大山 貴稔 Takatoshi Oyama

九州工業大学教養教育院准教授※助成決定当時

2024稲盛研究助成人文・社会系

採択テーマ
グローバル・サウスから見た「平和国家」の変質:メコン地域の開発援助関係者への聞き取りを通して
キーワード
研究概要
2010年代半ば頃から、日本政府の開発協力政策は質的な転換を遂げてきました。この日本側の政策転換について、本研究ではメコンという特定の地域でどのように具現化したかを明らかにしつつ、タイや中国、国際NGOの援助関係者が日本の変化をいかに捉えてきたかを調査します。日本政府が掲げる「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」構想の中核に位置づけられ、国際的な援助競合の場と化したメコン地域において生じた視差を浮き彫りにする国際共同研究に取り組むことで、日本の開発協力政策の転換が国際的にどのような影響を及ぼしたのかを考察します。

助成を受けて

松本悟(法政大学)、Soyeun Kim (Sogang University)、汪牧耘(東京大学)という3名の分担者と一緒に研究を行います。情報・意見交換を重ねながら研究を進めて、日本語や英語でうまく汲み取られていない視差を捉えられたらと思います。

研究成果の概要

日本の開発協力政策は「平和国家」の非軍事原則から安全保障化・人口統治化という二重の変質を遂げつつある。本研究はこの変質がメコン地域に及ぼす影響を、日本・中国・NGO・現地コミュニティの視角から多角的に検証した。ドナー国間の認識の視差、「グローバル・サウス」言説の政治化、現地の「Fake Green」批判、そして人口統治装置としての開発協力の近現代史的系譜を明らかにし、ドナーの戦略と現地社会の知識・実践の乖離を浮き彫りにした。


Kim, S., Yoo, Y. (2025) Contextualising pluriversal critical sustainabilities through Southeast Asian Area Studies (in Korean 동남아시아 지역연구를 통한 다편적 비판지속가능성 고찰), Journal of Global and Area Studies 9(3) pp.89-114. DOI : 10.31720/JGA.9.3.4


汪牧耘(2025)「第十章 日本国际发展合作——二战后八十年的转型与挑战」商务部国际贸易经济合作研究院国际发展合作研究所編『透视与展望——中国与国际发展报告 2025-2026』中国商务出版社有限公司、95-104頁


その他、学会報告(予稿集掲載)の後、学会誌等に成果投稿中。


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