森本 勝大 Masahiro Morimoto

富山大学 学術研究部工学系助教※助成決定当時

2021稲盛研究助成理工系

採択テーマ
金属/有機半導体界面における分極制御と電荷移動メカニズムの解明
キーワード
研究概要
金属/有機半導体界面における電荷移動や注入メカニズムは様々な研究が行われてきたが、いずれも既存材料系を説明したものが多く、正孔・電子の移動・注入はそれぞれ個別に議論されてきました。本研究では金属電極表面に意図的に制御した分子双極子を形成することで、金属/半導体間での電荷移動量向上を目的として、双極子層の物理化学的構造と正孔・電子の移動や注入といった電気電子的性質の相関解明を目指しています。

ひとこと

金属/半導体界面での「導電性」の制御を、分子双極子という「絶縁体」で行おうという試みが面白いと思います。

研究成果の概要

有機発光ダイオード(OLED)の電極/有機半導体界面における効率的なキャリア注入は課題が多く残されている。電極/半導体界面に電気双極子が存在すると、真空準位がシフトするためキャリア注入が向上することはよく知られている。本研究では、自発分極を持つ極性ポリマーとしてポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)[P(VDF/TrFE)]を用いた。P(VDF/TrFE)を正孔注入層としてインジウムスズ酸化物(ITO)電極表面にスピンコート成膜した結果、真空準位シフトによりITO電極からの正孔注入を増強した。その成果としてデバイスの駆動電圧を下げることができた。さらに、アニール温度依存性が観察された。正孔注入効果のメカニズムを調べるため、P(VDF/TrFE)層の薄膜物性を測定した。アニール温度の異なるP(VDF/TrFE)層は、表面特性に違いはないが、薄膜構造に大きな違いが見られた。これらの結果から極薄P(VDF/TrFE)層の構造変化により、OLEDのホール注入が著しく向上したことを明らかにした。



Fukazawa, R., Maegawa, Y., Morimoto, M., Matsubara, R., Kubono, A. and Naka, S. (2023), Hole Injection Characteristics and Annealing Temperature Dependence for Organic Light-Emitting Diodes Using Spontaneous Polarization. Phys. Status Solidi A, 220: 2300161. https://doi.org/10.1002/pssa.202300161


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