富田 賢吾 Kengo Tomida

東北大学大学院理学研究科准教授※助成決定当時

2024稲盛研究助成理工系

採択テーマ
大規模並列計算に対応した輻射磁気流体シミュレーションコードAthena++の開発
キーワード
研究概要
天体現象の研究では実験が不可能なため、計算機シミュレーションが重要な役割を担っています。天体現象は様々な物理過程が絡み合う複雑な現象であり、そのシミュレーションには流体力学・重力・磁場・化学反応・放射などを取り入れた高性能な計算コードが必要になります。特に放射輸送はあらゆる天体現象に共通する基礎的な物理ですが、光の速度が非常に速いため星・惑星形成過程のような系では計算が困難です。本研究では、誰もが放射磁気流体計算を研究に利用できるよう、高速な放射流体シミュレーションコードを開発・公開します。

助成を受けて

天文学の分野では「コンピュータシミュレーションは理論天文学の望遠鏡」とよく言われます。シミュレーションには高性能なスーパーコンピュータが必要なのはもちろんですが、優れたシミュレーションは高性能なハードウェアとソフトウェアの両方が初めて揃って実現するものです。本研究で誰もが使える高性能な「望遠鏡」を開発し、天文学分野だけでなくそれ以外の分野の研究にも役立てるよう頑張りたいと思います。

研究成果の概要

宇宙流体シミュレーションに応用するため、流束制限拡散近似と陰解法に基づく輻射ソルバをAthena++コードに実装した。大規模非線形偏微分方程式を高速に解くためにNewton-Raphson法とFull Multigrid法を組み合わせたソルバを開発した。テスト計算は終了しており、並列シミュレーションが可能であることを確認した。並行して宇宙磁気流体シミュレーションの数値計算手法の比較検証と、コードのGPU対応を行った。

K. Tomida, et al. (2026) Systematic Comparison between Constrained Transport and Mixed Divergence Cleaning Methods for Astrophysical Magnetohydrodynamic Simulations arXiv 2605.07928


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