弓場 英司 Eiji Yuba

大阪府立大学 大学院工学研究科准教授※助成決定当時

2019稲盛研究助成理工系

採択テーマ
マンノース残基導入pH応答性カードラン修飾リポソームを用いる免疫細胞特異的抗原キャリアの構築
キーワード
研究概要
近年注目を集めているがん免疫療法の実現のためには、がんだけを認識して攻撃できる免疫細胞(キラーT細胞)をいかに誘導できるかが重要です。この実現のためには、免疫反応を起動する樹状細胞にがんの目印(抗原)を積極的に運搬し、さらに細胞内部で抗原を放出する抗原運搬体(キャリア)が求められています。
私たちはこれまで、細胞が外来物質を取り込んだ際に形成される小胞内の弱酸性pHに応答して、小胞と膜融合する機能性高分子を開発し、これを脂質ナノカプセル(リポソーム)に固定化することで、細胞内でカプセルに封入した物質を放出する機能性キャリアの開発に成功しています。本研究では、この機能性高分子にマンノース残基を導入することで、pH応答性と樹状細胞特異性を併せ持つ新規多糖誘導体を設計しました。この多糖誘導体を抗原封入リポソームに修飾して、がん特異的な免疫細胞をより効果的に誘導できる免疫誘導システムの開発を目指します。

助成を受けて

免疫チェックポイント阻害剤の成功によって、がん免疫療法という言葉を耳にする機会が増えた方も多いのではないでしょうか。一方で、ある割合の患者さんには免疫チェックポイント阻害剤が効かないとされており、その原因の一つとして、がん特異的なキラーT細胞が誘導されていないことが挙げられています。本助成で取り組む研究によって、現行の免疫療法では治療できない患者さんを救うための基礎研究を行いたいと考えています。

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