
近年二つ素数の差の分布に関する研究が盛んに行われていて、2000年代後半にD.A. Goldston, J. PintzとC.Y. Yildirimによりようやく有限の差が無限に存在することは証明されました。しかし、当時その「有限の差」の値は計算できておらず、数年後にY. Zhang, J. Maynard (2022年フィールズ賞受賞者)及びT. Tao (2006年フィールズ賞受賞者)が主導する大きなプロジェクトチームPolymathにより具体的な数字が与えられて、「双子素数予想」の解決に近づきました。双子素数予想の主張は差が2である素数の組みが無限に存在することです。Goldston先生、私とJ. Schettlerはこの問題についてより深く調べているが、なかなか話し合う機会がありませんでした。この研究助成を受けて、米国のサンノゼ市へGoldston先生とSchettlerを直接訪問し、研究打ち合わせを行う予定です。
本研究は、リーマンゼータ関数の非自明な零点の間隔分布である「ペアコリレーション(対相関)」を対象とします。従来の研究は、零点の横分布の制御が困難なため、長年リーマン予想(RH)の仮定下で行われてきました。本研究を経て、申請者らは同手法におけるRHの仮定を外すことに成功しました。その結果、RHより弱い仮定で従来の「単純零点の割合」を導出し、その割合に単純零点だけではなくRHを満たす零点も含まれます。尚、つい最近の考察により、新概念「横重複度」も導入しました。
理工系領域