市川 幸平 Kohei Ichikawa

早稲田大学理工学術院准教授※助成決定当時

2025稲盛研究助成理工系

採択テーマ
すばる望遠鏡HSCダークな電波天体からさぐる最遠方超巨大ブラックホールの探査
キーワード
研究概要
銀河の中心核には膨大な質量をもつ超巨大ブラックホールが存在するが、その質量獲得の起源は未だ謎に包まれている。私はガス吸収に強いGHz帯電波観測での活動銀河核探査を行い、さらにすばる望遠鏡搭載の超高感度可視光撮像装置HSCでさえ対応天体が非検出の"HSC dark"電波源を発見した。この天体はライマンα輝線が近赤外線帯域に移った宇宙初期にある超巨大ブラックホールの重要候補である。本研究では、本天体の初の分光同定を行い、宇宙最遠方の電波で明るい活動銀河核の初検出を目指す。

助成を受けて

観測天文学をやっていると「非常に稀にしか起きない現象・存在しない天体 (=非常に確率が小さいイベント)」が、宇宙という「非常に大きなボリューム (非常に長い時間・大きな体積) 」を探査する過程で、偶然発見できるという体験を何度かすることがあります。個人的にも、観測天文学の醍醐味の一つだと感じています。本研究でも、たまたま発見されたそのような非常に稀な天体の正体を探り、将来訪れる大規模天体サーベイでその存在確率を明らかにすることで、宇宙初期における超巨大ブラックホールの生成の起源や、成長の現場を明らかにできればと思っています。

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