山根 啓輔 Keisuke Yamane

豊橋技術科学大学大学院工学研究科准教授※助成決定当時

2025稲盛研究助成理工系

採択テーマ
シリコンフォトニクス応用に向けたIII族-V族元素共添加ゲルマニウム発光素子材料の開発
キーワード
研究概要
近年、シリコンフォトニクス分野の急速な発展から、発光素子以外の光デバイスが自在にSi基板上に作製できるようになり、ワンチップ上へセンサや光通信機能を集積させる要素技術がそろいつつある。最後のキーデバイスはCMOSプロセス互換性のある発光素子である。申請者はこれまでに、発光デバイスとLSIをモノリシック集積する技術を開発してきた。しかしながら、材料的制約から光通信に用いる赤外光源の実現には至らなかった。本研究ではCMOS互換性のある赤外発光素子材料を新たに開発することで、真のモノリシック集積技術を確立することに挑戦する。先行研究例のある材料系(InGaAs、 GeSn、 n-Ge等)は未だシステム化への出口が見えていないため、これらの従来材料を踏襲せず、Si集積回路に親和性の高い新規材料の開拓に独自路線で挑戦する。具体的にはIII-V族半導体結晶とGeの混晶化技術を開発し、電気的、光学的特性を評価し、発光素子の作製を目指す。本研究目標が達成されれば、チップ間光通信を外部光源に頼る既存のシリコンフォトニクスにおいて、従来路線から逸脱したイノベーションをもたらすことが期待できる。

助成を受けて

本研究は、シリコンフォトニクス分野における最後の課題であるCMOS互換性のある赤外発光素子の実現に挑戦するものです。従来の材料に頼らず、III-V族半導体とGeの混晶化という独自のアプローチを採用し、新規材料の開拓を進めます。この研究を通じて、真のモノリシック集積技術を確立し、シリコンフォトニクスに革新をもたらすことを目指します。本研究が次世代の高性能・低消費電力な光通信技術の礎となるよう、全力で取り組みます。

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