本研究は、マイクロ流体力学とスピントロニクスという異なる2分野を横断し、マイクロ流体においてポンプや混合の制御として活用される音響振動を、渦度の制御という形でスピントロニクスに組み込む挑戦となります。本研究が成果として結実し、社会に還元できるよう日々精進致します。
スピン流体発電現象は、微細領域での液体金属の流動により、渦度と電子スピンとの角運動量変換を介してスピン流を生成します。本研究では、渦度のダイナミクスにより動的に現象を発現させ、制御性を確立させるデバイスの作製および実験を行いました。渦度制御として圧電セラミックスによる音響振動の印加を利用し、デバイスとして合成石英、PDMS、SU-8からなるマイクロ流路を作製しました。実験の結果、音響振動の伝搬が十分でなく信号の測定には至りませんでした。今後の展望として、表面弾性波などの明示的な振動印加による現象の誘起を構想しています。
理工系領域