大曲 駿 Shun Omagari

東京科学大学物質理工学院助教※助成決定当時

2025稲盛研究助成理工系

採択テーマ
超解像蛍光顕微鏡法と感温性希土類蛍光ナノビーズを組み合わせた新規ナノ温度計測技術の概念実証
キーワード
研究概要
材料、デバイス、生体における温度は、デバイスの作製や動作、材料や生体の物理的特性の評価、およびそのメカニズムの解明において重要な情報である。特に近年、ナノテクノロジーの発展に伴い、ミクロスケールにおける現象の解明が急務となっており、ナノスケールの温度計測手法が注目を集めている。本研究では、ナノスケールの空間分解能を有する新規な温度計測手法を開発し、その概念実証を行う。具体的には、超解像蛍光顕微鏡法の一種であるRESOLFTと、温度計測において有用な発光特性を持つ希土類錯体を組み合わせる。

助成を受けて

これまで、蛍光体を用いたナノ温度計測は概念として提唱されてきましたが、その実現は困難でした。これは、温度計測に適した発光体が、光の回折限界を超える空間分解能を持つ超解像蛍光顕微鏡法と相性が悪いためです。本研究では、従来の温度計測技術とは一線を画す新たなアプローチを提案します。超解像蛍光顕微鏡法であるRESOLFTと、温度計測に適した発光特性を持つ希土類錯体を組み合わせることで、真の意味でナノスケールの温度分布を高精度に可視化する技術の確立を目指します。この革新的な手法が、ナノテクノロジー分野における計測技術のブレイクスルーとなることを期待し、研究に邁進してまいります。

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