
この研究の実現は安価な原料を利用することで強力な還元性化学種を生み出すものである。これまでに様々な強力な光還元剤が開発されているもののそのどれもが、高価かつ複雑な骨格を有するものである。本申請研究は、既存の金属を利用した一電子還元反応と同等もしくはそれ以上の強力な還元種を生み出すことを目的に研究を進める。
本研究では、有機分子から精密に調製したアニオン種が、光励起または適切な反応条件下において強力な一電子還元剤として機能することに着目し、これを活用した新しい分子変換方法論の開発と、その反応メカニズムの解明を行った。さらに、還元剤となる有機アニオン種の分子構造を設計・修飾することで、還元力、反応性、中間体の安定性を制御できることを明らかにした。これにより、従来困難であった結合活性化やラジカル生成反応に対する新たな設計指針を提示した。
Yamaguchi, E., et al. (2025) Photocatalytic C–I Borylation via Halogen Bond-Enabled Electron Transfer: A Strategy for Generating Aryl Radicals from Haloarenes Chemical and Pharmaceutical Bulletin 73, 944-950 https://doi.org/10.1248/cpb.c25-00375
理工系領域