本研究では、私がこれまで開発してきた2次元ナノシート合成法を発展させ、水溶性ナノシートの合成を目指しています。これまでの動的共有結合では得られない水に対して安定な有機ナノシートの合成法を開発するとともに、ナノシートにカルボン酸を導入することで、ナノシートの自己組織化も検討しています。この研究助成期間中に多くの知識を得て、今後の自分の研究の種を見つけられるように頑張りたいと思います。
2次元有機ナノシート合成には動的共有結合の利用が有効だが、可逆性に起因して、形成ナノシートは水に耐性がない。本研究では、共有結合によるナノシート合成法を確立し、さらに水溶性付与を目指した。ナノシートを液中合成し、各種顕微鏡観測や粉末X線回折からその生成を確認した。本ナノシートは水で分解しない。ナノシートに導入したCN基のカルボン酸への変換を試みた結果、部分的な反応進行により反応中間体であるアミド基への変換が示唆された。条件最適化により、水溶性ナノシート合成の実現につながると考える。
理工系領域