深谷 雄志 Takashi Fukaya

東京大学 定量生命科学研究所講師※助成決定当時

2019稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
転写制御における高次ゲノム機能の解明
キーワード
研究概要
転写制御において中心的な役割を担うのはエンハンサーと呼ばれる非コードDNAです。エンハンサーは配列特異的な転写因子との結合を介して、標的遺伝子の転写活性を時空間的に緻密に制御しています。現在、ヒトゲノムには40万以上ものエンハンサーが存在すると見積もられており、1つの遺伝子に対しておよそ20近くのエンハンサーが働いていると考えられます。こうしたエンハンサーを介した遺伝子発現プログラムの多様化が、高等真核生物の複雑な形態形成を可能にしています。さらに近年、エンハンサーの変異が癌をはじめとする疾患と密接に関わることが報告されるなど、その生物学的重要性が理解されつつあります。しかし一方で、「そもそもエンハンサーがどのように転写を制御しているのか?」という基本的な動作原理は未だに理解されていません。我々はショウジョウバエをモデルとして、ライブイメージングやゲノム編集、生化学など幅広い実験技術を駆使することにより、独自の切り口からエンハンサー動作原理を解明することを目指します。

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