舞木 昭彦 Akihiko Mougi

島根大学 学術研究院准教授※助成決定当時

2020稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
種内と種間の多様性に関する相互維持機構の理論的研究
キーワード
研究概要
近年、環境破壊により多くの生物種が急速に失われており、生物多様性の喪失を食い止め回復させることが急務となっています。しかし、生物多様性の保全を成功させるには、まず、生態系が維持されるしくみそのものを理解する必要があります。従来、進化学と生態学では、生物多様性の主構成要素である種内にみられる遺伝的多様性と種間の多様性(種の多様性)の維持機構をそれぞれ独立に研究してきました。本研究では、それらの間の相互作用を数理モデルを用いて分析することで、生物多様性の維持機構の包括的な理解を目指します。

ひとこと

栄誉ある助成に恥じない、科学に貢献できるような研究をしていきたいと思います

研究成果の概要

多様な生物が共存する新しい仕組みとして、「生物リズムの多様性」仮説を提案しました。地球では、太陽や月との関係から日・月・年と周期的な環境変化がみられます。これらに適応した生物たちの多様な生物リズムこそが生物たちの共存(自然のバランス)を維持する可能性を理論的に示しました。異なる複数の生物リズムが組み合わさることで生じる独特なリズム(ポリリズム)によって生物活動もしくは生物間相互作用が弱まり、生物たちの共存を促進することがわかりました。この理論は、時間生物学と生態学をつなぐ新しい自然観を提供します。



  1. Mougi A (2020) Polyrhythmic foraging and competitive coexistence. Sci Rep 10(1):20282. https://doi.org/10.1038/s41598-020-77483-3

  2. Mougi A (2021) Diversity of biological rhythm and food web stability. Biol Lett 17(2):20200673. https://doi.org/10.1098/rsbl.2020.0673


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