核医学治療は、放射性核種から放出される放射線の殺傷効果を利用したがん治療法で、α線を放出する放射性核種を結合させた化合物の投与により、がんが全身に転移した前立腺がん患者さんの完全寛解がみられる等、その高い治療効果で注目を集めています。しかしながら、本治療法の認知度は依然として低いため、その普及促進の一助となる薬剤の開発に尽力していきたいと考えております。
オージェ電子放出核種としてI-125及びBr-77で、α線放出核種としてAt-211で標識を行ったドキソルビシン(DOX)誘導体の細胞傷害性を評価したところ、いずれの放射性ハロゲン標識体においても、核移行性の高いDOX誘導体が高い細胞傷害性を示した。一方で、At-211標識体に関しては核移行性の低いDOX誘導体でも高い細胞傷害性を示し、DNA標的化戦略がオージェ電子では有効であるものの、α線では有効ではないことが示唆された。
生物・生命系領域
