篠原 秀文 Hidefumi Shinohara

名古屋大学 大学院理学研究科助教※助成決定当時

2019稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
植物モルフォゲンのモデルとなる転写因子PLETHORAの濃度勾配形成・維持機構の解明
キーワード
研究概要
 植物は,葉を作り続け,茎や根を伸ばし続けることで,継続的に成長できる生き物です.この継続的な成長には,茎頂や根端に,細胞分裂活性の高い「メリステム」とよばれる細胞群を維持することが必要であり,このメリステムが維持できなくなると,植物の成長は止まってしまいます.
 根端メリステムの維持には転写因子PLETHORA(PLT)が必須です.PLTタンパク質は根の先端から地上部側にかけて濃度勾配をつくって存在し,この濃度差がメリステムの細胞分裂活性の維持に重要であることが知られています.PLTタンパク質の濃度勾配形成は,いままで知られていない植物のモルフォゲンのモデルとなる興味深い現象です.
 私たちは最近,植物の根に発現するペプチドホルモンRGFと,そのホルモンを受け取る受容体を同定し,このRGFとその受容体がPLTタンパク質の濃度勾配を調節していることを明らかにしました.そこで,この研究テーマでは,RGFが植物のモルフォゲンになり得るPLTタンパク質の濃度勾配を調節する機構の詳細を調べてメリステムを維持するしくみを明らかにし,植物の継続的な成長の根源を理解したいと考えています.

助成を受けて

人文科学,自然科学を問わず広い範囲を対象とした稲盛研究助成に採択されたことは,自分の研究内容の興味深さが認められたことの証であると考えており,これからの研究生活の大変な励みになります.根の継続的な成長メカニズムの解明を通じて,自然科学の発展に貢献できるような成果を上げられるよう努力したいと考えています.

領域が近い研究者を探す

生物・生命系領域