諸石 寿朗 Toshiro Moroishi

熊本大学 大学院生命科学研究部教授※助成決定当時

2021稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
鉄による細胞分化制御機構の解明
キーワード
研究概要
鉄は地球上に重量比で最も多く存在する元素であり、生命はその起源から鉄を利用して代謝活動を行ってきたと考えられています。近年、鉄自体が細胞死やミトコンドリア機能の制御など、様々な様式の細胞機能調節を通して多彩な生命機能を発揮することが示唆されてきていますが、その詳細な分子機構や生物学的意義は十分に解明されていません。本研究では、鉄代謝による細胞分化の制御機構に焦点を当て、鉄が統御する生命現象の理解を深めたいと考えています。

ひとこと

からだの恒常性を維持する仕組みを理解することを目標に、シグナル伝達や代謝制御をキーワードとして生命科学研究に取り組んでいます。多様なバックグラウンドを持った人たちと交流しながら、サイエンスの面白さを追求していきたいと思います。

研究成果の概要

鉄は地球上に重量比で最も多く存在する元素であり、多くの酵素の補因子として様々な代謝活 動に利用されているため、広範な生物の生命機能に必須の役割を担う。本研究では、血球分 化や血球機能における鉄の役割を検討し、鉄代謝恒常性の維持がマクロファージやB細胞系 譜への分化誘導および細胞機能制御に重要な役割を担うことを明らかにした。特に、がん組織 に蓄積した鉄は免疫細胞による炎症応答を増悪させ、がんの進行を早めることがわかり、腫瘍 微小環境の鉄動態に注目した、がんの新たな病態理解につながることが期待される。


Yamane T, et al. (2022) Iron accelerates Fusobacterium nucleatum–induced CCL8 expression in macrophages and is associated with colorectal cancer progression. JCI Insight 7(21). https://doi.org/10.1172/jci.insight.156802


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