大野 博久 Hirohisa Ohno

京都大学iPS細胞研究所特定拠点助教※助成決定当時

2024稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
精密な遺伝子発現制御を可能とする人工RNAの開発
キーワード
研究概要
近年、RNAワクチンに代表されるように、人工メッセンジャーRNA(mRNA)が大きな注目を集めています。RNAは原理的にゲノムに組み込まれる危険性がなく、目的遺伝子に応じた設計の変更や合成が容易、といった利点も持っています。しかし一方で、安定性や特異性については改善が望まれています。
本研究では、標的細胞と非標的細胞を識別して標的細胞でのみ遺伝子発現を行う能力をRNA自身に持たせることで、特異性を改善し、高い安全性と効果を持つ人工mRNAを開発します。

助成を受けて

研究助成に採択していただき、大変光栄に思います。基礎研究としておもしろく、同時に社会の役にも立てるような研究を行えるよう、頑張りたいと思います。

研究成果の概要

マイクロRNAに基づく翻訳制御系とタンパク質スプライシングによる翻訳後制御系を組み合わせて、新たな遺伝子発現制御系である “スプリットRNAスイッチ” を開発しました。非標的細胞における望まないタンパク質発現を効果的に抑制でき、標的細胞の検出や純化、標的細胞特異的なゲノム編集などが可能になりました。RNA医薬の安全性を高める仕組みとして今後様々な応用が期待できます。


Itsuki Abe, et al. (2025) Split RNA switch orchestrates pre- and post-translational control to enable cell type-specific gene expression Nature Communications 16 (5362) https://doi.org/10.1038/s41467-025-60392-2


Yuanzhe Cui, et al. (2026) “More” Artificial mRNAs: Beyond the Art of Nature Advanced Science e21523 https://doi.org/10.1002/advs.202521523


大野 博久, 齊藤 博英 (2024) 多様なエンジニアリング戦略によって広がる人工mRNAの可能性 生化学 第 96 巻第 6 号, pp. 795‒804 doi:10.14952/SEIKAGAKU.2024.960795


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