髙野 哲也 Tetsuya Takano

九州大学高等研究院准教授※助成決定当時

2025稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
高精度プロテオーム解析を用いたストレス応答神経回路の分子レベルの解明と精神疾患の理解
キーワード
研究概要
 脳内の神経回路はストレスなどの環境要因に応じて日々変化しているが、それぞれの神経回路がどのように形成され、脳機能を制御しているかは依然として不明である。これは、一つの神経細胞が形成するシナプスが多様であり、従来の手法では脳機能と関連する個々の神経回路に存在する構成分子を解析できなかった為である。本研究では、ストレスに応じて変化する神経回路の分子成分を網羅的に探索する時空間プロテオーム技術を開発する。さらに、ストレス記憶の各段階における個々の神経回路の形成と機能を制御する分子機序を解明し、脳の動作原理及び精神・神経疾患の病態解明を進める。

助成を受けて

 脳内の神経回路は、ストレスなどの環境要因に応じて日々変化し、その形成過程や脳機能への影響は未解明な部分が多いです。​これは、神経細胞が形成するシナプスの多様性により、従来の解析手法では個々の神経回路の分子構成を詳細に把握することが難しかったためです。​
  本研究では、新たな時空間プロテオーム技術を独自に開発し、ストレスに応じて変化する神経回路の分子成分を網羅的に解析します。​これにより、ストレス記憶の各段階における神経回路の形成と機能制御の分子機序を解明し、脳の動作原理や精神・神経疾患の病態解明に新たな視点を提供することを目指します。​独自技術の創出により、脳科学のさまざまな研究分野に加えて、精神・神経疾患の理解と治療法の開発に貢献していく所存です。

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