脳内の神経回路は、ストレスなどの環境要因に応じて日々変化し、その形成過程や脳機能への影響は未解明な部分が多いです。これは、神経細胞が形成するシナプスの多様性により、従来の解析手法では個々の神経回路の分子構成を詳細に把握することが難しかったためです。
本研究では、新たな時空間プロテオーム技術を独自に開発し、ストレスに応じて変化する神経回路の分子成分を網羅的に解析します。これにより、ストレス記憶の各段階における神経回路の形成と機能制御の分子機序を解明し、脳の動作原理や精神・神経疾患の病態解明に新たな視点を提供することを目指します。独自技術の創出により、脳科学のさまざまな研究分野に加えて、精神・神経疾患の理解と治療法の開発に貢献していく所存です。
生物・生命系領域