構造的にも面白い機能性分子を生み出すのが夢です!頑張ります!
多環芳香族炭化水素やラダーポリマーなどのは、「面」という特異な構造要素を有する。通常これら物質は、この面に対して対称な構造を有しているケースが多い。これらのラダー型物質の面外方向の対称性を制御し、意図的に非対称化した物質系、すなわち二面性分子を開発すれば、その非対称性に基づく物性・機能発現が期待できる。例えば、二面性分子は固体表面に向きを揃えて吸着することで、物質の表面・界面での物性・機能制御に利用できる可能性がある。また、母骨格とするラダー型分子の構造対称性によっては、この面外方向の異方性に基づき、することが多く、円偏光発光(CPL)やCISS(Chirality-Induced Spin Selectivity)など、近年注目されているキラル物性の発現も期待できる。このような思想の下、最近我々は、インデノフルオレン、インンダセノジチオフェン、トルキセン類などの、sp3炭素原子により架橋されたラダー型分子を二面化した、キラルな二面性分子モチーフの開発と、それを用いた応用研究や機能開拓に取り組んできた。これまでに、二面性ホール輸送材料や二面性三脚型分子を用いたペロブスカイトの表面パッシベーション、二面性トルキセンによる高い非対称性因子のCPL特性発現と機構解明やデバイス応用などの研究を展開している。また、導電性とキラリティーを併せ持つ二面性物質の開発を目的とし、二面性インダセノジチオフェン(IDT)を用い、高い電荷輸送性能を有するIDTとベンゾチアジアゾールとのドナーアクセプター型π共役ポリマーをキラル化した高分子合成し、そのスピンコート薄膜のCISS特性を、スピン偏極導電性AFMにより評価したところ、70%程度の優れたスピン偏極率を示すことを報告した。最近では、カルボキシメチル基を表面吸着性置換基として三つ有するトルキセン類がAg/Au(111)表面に高規則的に吸着可能な、ホモキラル分子三脚として機能することも見出した。
N. Minoi, *F. Ishiwari et al. (2024) Evolving bifacial molecule strategy for surface passivation of lead halide perovskite solar cells Sustainable Energy Fuels 8, 4453–4460 DOI:10.1039/D4SE01096E
S. Li, *F. Ishiwari et al. (2024) Chiral bifacial indacenodithiophene-based π-conjugated polymers with chirality-induced spin selectivity Chem. Commun. 60, 10870–10873 DOI: 10.1039/D4CC03292F
*F. Ishiwari, T. Omine et al. (2025) Homochiral Carboxylate-Anchored Truxene Tripods: Design, Synthesis, and Monolayer Formation on Ag(111) Chem. Eur. J. 31 DOI:10.1002/chem.202404750
2025年度InaRISフェロー紹介動画を公開しました!
自然科学系と人文・社会科学系の研究者を支援する「稲盛研究助成」の助成金贈呈式と、これまでの助成対象者の交流を目的とした「盛和スカラーズソサエティ(3S)」の交流会が19日、ザ・プリンス京都宝ヶ池(京都市左京区)で開かれました。
3月7日、稲盛財団は 2025年度稲盛研究助成の対象者50名を発表しました。405件(自然科学系319件、人文・社会科学系86件)の応募から厳正な審査を経て選ばれた、自然科学系40件、人文・社会科学系10件に、1件当たり100万円を助成します。研究に真に必要な経費であれば使途に制限はありません。
稲盛研究助成のこれまでの対象者が参加する「盛和スカラーズソサエティ(3S)交流会」。今年も昨年に続いてポスター発表で活発な議論が交わされました。交流会を終えたばかりの発表者と今年度の助成対象者の方に、感想を聞いてみました。
3月8日、稲盛財団は2024年度稲盛研究助成の対象者50名を発表しました。408件の応募から厳正な審査を経て選ばれた、自然科学系40件、人文・社会科学系10件に、1件当たり100万円を助成します。
稲盛財団は、5月23日、2023年度の稲盛科学研究機構(InaRIS: Inamori Research Institute for Science)フェローシップの申請受付を開始しました。
3月10日、稲盛財団は2023年度稲盛研究助成の対象者50名を発表しました。394件の応募から厳正な審査を経て選ばれた、自然科学系40件、人文・社会科学系10件に、1件当たり100万円を助成します。
私たちの食生活になじみの深いワカメやコンブなどは褐藻と呼ばれる海藻の仲間です。今回は、その褐藻の生殖や発生について研究をしている北海道大学の長里千香子氏の研究所にお邪魔し、詳しいお話を伺いました。
「稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップ」の運営委員やフェロー同士が研究内容について議論を交わす「アドバイザリー・ボード・ミーティング」が10月4日、稲盛財団(京都市下京区)にて開催されました。 I...
大阪公立大学の弓場英司氏は、高分子化学や有機合成化学の手法を使ってDDSのための、微小な「脂質ナノカプセル」を開発しています。いったいどのようなカプセルなのでしょうか。詳しいお話を伺いました。
3月11日、稲盛財団は2022年度稲盛研究助成の対象者50名を発表しました。411件の応募から厳正な審査を経て選ばれた、自然科学系40件、人文・社会科学系10件に、1件当たり100万円を助成します。
私たちの日々を彩ってくれる音楽を、学術的に研究していくことでどのようなことがわかるのでしょうか。文学や社会学、統計学など、他の分野の手法を取り入れながら音楽の裾野を広げる研究を行う九州大学の西田紘子准教授に、音楽学研究の魅力をお聞きしました。
7月1日、2022年度の稲盛研究助成の申請受付を開始しました。
稲盛財団は、2021年5月21日、2022年度の稲盛科学研究機構(InaRIS)フェローシップの申請受付を開始しました。今年度の募集対象分野は「物質・材料」研究の前線開拓です。
理工系領域