塚崎 雅之 Masayuki Tsukasaki

東京大学 大学院医学系研究科特任助教※助成決定当時

2023稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
新しいタイプの骨形成細胞の発見と制御
キーワード
研究概要
骨の恒常性は、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収のバランスが保たれることで維持されます。骨芽細胞は、直接的に骨をつくるのみならず、破骨細胞の分化や活性化を調節することで骨吸収を制御します。本研究では、これまで単一の細胞集団と考えられてきた骨芽細胞の多様性を明らかにし、新たな骨形成細胞を標的とした骨疾患治療戦略の創出を目指します。

助成を受けて

骨を理解するため精進します!

研究成果の概要

適切なかたち、サイズの骨格は、解剖学的局在の異なる骨格幹細胞とその子孫細胞(骨形成細胞)が局所的に機能することで、形成・維持される。本研究では、骨形成細胞の機能的多様性と不均一性の解明を目指し、骨を包む骨膜に存在するユニークな骨形成細胞(骨膜細胞)に着目した。骨膜細胞は、定常状態における骨形成に寄与するだけでなく、腫瘍の近接に対し応答し、骨膜の肥厚を促すことで腫瘍の進行を物理的に阻害することを見出した。本成果は、骨形成細胞の機能的多様性を解明し骨格システムの理解を深化させただけでなく、免疫系以外のシステムが腫瘍に応答し生体防御に寄与することを哺乳類の生体レベルで証明したものであり、腫瘍-宿主連関の新たな姿を照らし出すものである。


Nakamura, Tsukasaki* et al., (2024) The periosteum provides a stromal defence against cancer invasion into the bone Nature 634(8033):474-481. doi: 10.1038/s41586-024-07822-1  


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