古賀 沙緒里 Saori Morino-Koga

熊本大学発生医学研究所助教※助成決定当時

2023稲盛研究助成生物・生命系

採択テーマ
造血幹細胞の試験管内分化モデルの構築
キーワード
研究概要
全ての血液細胞は造血幹細胞を起源とします。したがって、造血幹細胞を人工的に誘導できれば、様々な血液疾患の治療につながると期待されます。私たちは胎児期の体内で起きる造血幹細胞の発生機構を完全解明し、それを試験管内で再現すれば造血幹細胞の分化誘導法が構築できると考えました。本研究では詳細な解析が可能なマウスを用いて、造血幹細胞の発生機構の完全解明を目指します。

助成を受けて

稲盛研究助成に採択して頂き、心より感謝申し上げます。私の最終目標は、造血幹細胞の新たな移植の供給源を提供することです。その実現に向けて頑張ります!

研究成果の概要

造血幹細胞は様々な血液細胞を産生する能力を有しており、これまで造血幹細胞移植として広く臨床応用されてきました。私たちは、多能性幹細胞から試験管内で造血幹細胞を分化誘導することで、造血幹細胞の新たな供給源の確立を目指しています。本研究では、造血幹細胞の前駆細胞である造血性内皮細胞を用いて、発生過程を再現した造血幹細胞の誘導法を構築することに成功しました。この培養法は、造血幹細胞の発生機構を詳細に解析するための強力な研究ツールとなるだけでなく、将来的には多能性幹細胞から造血幹細胞への分化誘導の実現にもつながることが期待されます。


S. Morino-Koga et al. (2024) Transition of signal requirement in hematopoietic stem cell development from hemogenic endothelial cells Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 121(31) DOI: 10.1073/pnas.2404193121


関連ニュース

領域が近い研究者を探す

生物・生命系領域